けんすけ
「う〜ん全然だめだね。もっと自分で考えて作ってくれないかな?」
「なんだろうな〜全体的によくないよね!あと2時間で修正してくれ!」
「前も同じ事言ったよね?全然変わってないよ?ちゃんと考えてる?」
自分ではしっかり出来たと思っているのに上司の修正が鬼のように厳しくて全然前に進めない!そして何をどう修正していいのか上司もしっかり答えてくれないので、何がダメなのかも分からない。そんな状態だと時間だけが過ぎ去り手付かずになって一歩も前に進めずに結局上司や他の人が仕事を引き取ってフィニッシュされて、お前は本当に使えないなというレッテルを貼られているのと同じ事になりモチベーションがとっても下がります!
そんな状況だと仕事が楽しいどころか会社に行きたくもなくなくなります。
良い物を作る事が仕事では無くなり、上司の顔色を伺うのが仕事となります。
ディレクションを放棄する上司の下で働いても意味がない!
デザインの仕事は職人気質の人が多くいる環境ですが、CGデザイナーは職人ではありません。もちろん職人のような気持ちで作品に取り込むことは良いことですが、一人で物作りをしているわけではなく、あくまでお客さんがいて納期までに作品を作り上げる事が仕事です。
その為に技術力の少ない部下に指示を出して、時間までに納品させるのが上司であるあなたの仕事なはずなのに、部下から「チェックをお願いします」と言われても、どこを修正したら良いのかアドバイスはあげないし、「全体的によくないから自分で考えて修正してみて」と指示を出しても、これで良いと思ったからチェックをお願いしたのにこれ以上どこを直したらいいのか分からずに部下は前に進めなくなります。
確かに自分で考える事も大切ですが、考え抜いた上で出来上がった物だったらそれに対して指示をだすのがあなたの仕事です。
具体的な指示をくれない上司は自分の仕事をさぼっている事になるので、「どこを直したら良いのか私は上司なのにディレクションができません!」と言っているようなものです。
むしろはっきりと「ごめんね。難しいよね。私もこういうのは苦手でさぁ。自分の仕事もあるからどうにか頑張ってもらえる?」と言ってもらえた方がまだ納得できます。
実話 管理人が出会ったへのへのもへじ上司 体験談
過去に管理人が新卒で入ってしまったブラック企業で働いている時に出会った上司から「リアルな人間を作る仕事」をお願いされた事があります。それも毛穴がしっかりと描かれてあり構造をしっかりとしたリアルな人間です。
もちろん新卒で入った管理人は背景アーティスト志望だったので、いきなりそんな大掛かりな仕事をお願いされてもどうしようと毎日胃に穴が開く思いで寝る事ができませんでしたが、がそれでも出来る限りのことをやろうと頑張っていた中で、ある程度出来たから上司にチェックをお願いすると、
「う〜ん。よく分からないや。へのへのもへじって顔に書いといたらw」
という訳のわからない指示しかくれずに結局他の人に助けてもらいながら何とかデータをアップする事が出来た経験がありますが、この上司の下で働いていても成長出来なさそうだな。。と思ったので直ぐに転職する事を心に決めました。
全ての上司が人に教えるのが上手な訳ではない
自分より年上で経験もあり、過去に作った作品がいくら凄くても、その人の部下として働いたからといってあなたがその上司のように凄い技術を得られるとは限りません。
なぜならその上司は一人で黙々と使って作ることは好きだとしても、人に教える事は苦手だったり、自分が今まで苦労して学んだ事を部下に簡単に教えたくないと思っている可能性があるからです。
上の立場になったのも周りのメンバーをまとめるのが得意だからではなく、個人のスキルが高いから自然と上司になったのかもしれません。
しかし、会社員として長く働くのであればいずれは上の立場になりチームをマネジメントして自分の代わりにしっかり働いてくれる人を育てない限りは一生アーティストとして手を動かし続けなければいけません。
若い頃はそれでいいかもしれませんが、年齢を重ねて50代〜60代になっても毎年発売される新しいソフトを覚えて納期に追われる仕事は体力的にも非常に大変になり体を壊しかねません。
良い上司は指示を出すのがうまい
良い上司は指示をしっかり出してくれます。曖昧な「なんか悪いんだよね」という一言でかたずけずに、どこを直せばいいのかしっかりチェックをしてくれるし、聞けば嫌な顔せずに教えてくれる人がいます。
上司のチェックバックも「ここが良い感じだから、こんな感じでここも直してくれないかな?」と、悪い部分だけを指摘するのではなく、良い部分を探してそこを指摘しながら褒めながらやる気を出させる言葉の選び方、言い方が非常にうまいんです。
だから、その上司にもっと良い物を作って評価してもらいたい!上司の為にもクライアントからOKという言葉を一発でもらいたい!という気持ちになりやる気が心から出てきます。
良い上司と巡り会えれば単にCGの技術が上がるだけでなく、モチベーションが自然と上がり、将来自分が上司の立場になった時に人に教える力を身に付ける事も出来るんです。
ジャッキーチェンのベストキッドでも、あしたのジョーでも、巨人の星でも、良い上司となる師匠と巡り会えたからこそトップに登り詰める事が出来ています。
これが、段下団平と巡り合っていなかったらジョーはドヤ街で喧嘩に明け暮れ悪さをして刑務所に何度も入り更生する事は絶対に無かったはずです。
それはCGデザイナーでも同じ事です。
良い上司と巡り会えなければ自分のスキルが中々伸びずに毎日怒られてばかりだと、「こんな仕事やってられるか!」と、CGデザイナーとしての素質があったにも関わらずに、上司の教え方が下手くそだっただけなのに、CGデザイナーという仕事は自分には合っていないんだ!と勘違いして自分の中の評価を大きく下げてしまいます。
良い上司に巡り会うのは運
良い上司に巡り会うのは運でしかありません。
管理人は過去に20社以上の会社と面接をして5つの会社で働いてきましたが、そのうち4つの会社はブラック企業で、ひどい事を言われたり、徹夜残業が多い会社ばかりでしたが最後に入った会社で出会った上司が、先ほど書いた良い上司の条件にぴったりと当てはまっている人だったんです。
この人の元で働いたらみるみる自分でも分かるぐらい成長して、今までの自分では想像できないぐらい仕事が楽しく過ごせる事が出来るようになりました。
1つの会社でしか働いた事のない人は、他の会社に行っても「嫌な人が必ずいる」「またブラック会社だったらどうしよう」と考えてしまうので、転職する労力が無駄だから今のまま働いておこう…と思ってしまう人が多くいます。
しかし、CG会社は世の中に沢山あります。
全ての会社がブラック企業なわけがないし、いい上司は絶対いるはずという気持ちを持って転職活動を働きながらしていた結果、今の会社に拾ってもらい理想の上司と出会う事が出来たんです。
面接の時にはその上司がこんなにいい人だとは思わなかったし、一緒に働いてみるまではその上司の教え方が上手なのかは誰にも分かりません。
なので入ってみて自分と合わないなと思ったら転職をするしか無いんです。
今の日本では転職は沢山すればするほど悪い評価になりますが、それでも自分のスキルが伸ばせる環境で働けないのであれば人生の時間の無駄になってしまいます。